2024年9月7日

ここ数日、朝夕は冷えて清々しくて、秋だなあと思っていたけど、考えたらこれがわたしの思う「夏休み」の気候だ。今年の夏の暑さはほんとにすごかった。やっと今、夏の気候になってきた。

朝、毛布とかシーツとか洗濯機4回まわして、ダンボールをたたんで少し片付けた。椅子の上に母の作務衣やエプロンが何枚も放置されてるのが目に入って、せっかくのこの灼熱のうちにと全部洗濯して干した。2時間で乾いた。

勢いがついて床を拭き掃除した。拭き掃除は掃除の中でちょっと次元が違う、と思った。廊下を拭くと突然、すごく清々しい感じがした。
はるは今日はずっと緑色のウィッグの散髪をしてた。

午後、「窓際のトットちゃん」をようやく観た。映画館で観たかった映画。
はるはそんなに乗り気じゃなかったけど、始まるとすぐ、2人して引き込まれた。

トットちゃん。問題児だったとか、電車を校舎にしてた、というのは知ってたけど、あまりよく知らなかった。
映画が始まった時、画面に「昭和16年」と出て、一昨日「この世界の片隅に」を観たばかりだから、なんかつながってるね、とはると話した。
すずさんはあの人(画面の隅の大人)くらいの頃だ!と画面を指差したりした。

この頃、続けて同じようなテーマを見たり、同じような言葉を見たりする。
最近見た映画、三連続くらいで、「あなたはあなた」みたいなセリフが出てきた。
今日は、「トットちゃんはトットちゃん」。


冒頭、トットちゃんはすごくいい学校に入る。
すごくいい先生に出会う。
子供が全員こんないい先生に出会えたらいいのに、と何度も思って、はると泣いた。

トモエ学園。実際にあった学校なんだって。
今日は何をやりたいか、自分で決めて好きなことをする、って。よみたん自然学校みたいだと思った。こんな昔にフリースクールがあったの!と驚いた。

その先生は、トットちゃんが何時間話しても、「それから?」と相槌をうつだけで、ずっと聞いてた。
トットちゃんがやりたがることは、糞尿まきちらしでさえ黙って容認した。
「もとに戻しておけよ」だけ言って、でも帰りは電車に乗るし、風呂に入れて着替えさせてくれた。
「叱る」とか、「教える」とか、なかった。
すごい。

出会った日、「きみはほんとうは、いい子なんだよ」って言った。

その先生は、若い先生が親しみから、たぶんクラス全体と仲良くなるために軽い気持ちで、1人の小さい子をからかって笑いをとった時、激怒して職員室で説教した。
どうして怒られるのかわからない、という表情の若い先生に、「あの子に深い傷を与えたかもしれないと、考えないんですか」と震えるほど怒ってた。今日はその場面がいちばん心に残ったかも。

ちょうどそんな、「自分の人気のために子供を使って笑いをとる」先生をほかのアニメで見て、嫌だねと話してたとこだったから、よけいに驚いて、うれしかった。勉強になった。

こんな人はいっぱいいる。自分も含めて、こんなことをしてしまう時はある。若い先生はなんにも子供をばかになんかしてなくて、笑われた子供もまだ幼いし、キョトンとしてからかわれたとか認識してなかったかもしれない。でも。それでも。って。見過ごさず注意した。
すごくすごくすごく大事なことの気がした。
子供がそんなにも「悲しむ」ということを、どんなに小さくても傷つくということを大人は忘れる。
気付かない。


それと、トットちゃんの木登りの場面。
トットちゃんもパズーみたいに、あとのことを考えなかった。
なにかをする時、帰り道のことを考えない。
すごく尊敬する。
「えらいなあ・・」と思わず言った。

これをしたらどうなるかを想像してやめたり、準備万端にしてからやるんじゃなくて、「この体験をする」に集中して、とにかく今すぐ、やりたいことをやって、友だちと思いきり笑ってた。

ひよこはうれしかったんじゃないかな。トットちゃんに会えたし。がんばって生きたから。


それから、すごく反戦映画だった。
「変な子」とばかり言われてた子が、いい学校に出会えて、いい先生に出会えて、いい友だちに出会えて、お父さんは音楽をやっていて、お母さんはせっせと料理や縫いものをして、生き生きと生きて、足が動かなくて運動を敬遠してた友だちも、身体を動かすのが楽しくなってきて、ダンスするようになって、みんな自信をつけていって、こんなにも築き上げた日が、戦争で壊された。

こんな昔に、こんな綺麗な洋館があったのと、びっくりするような家も。町も。カラフルな楽しい食事も服装も。やみくもな質素倹約が正義になって、真っ当な者はこんな時節に華美な服着て笑わない、不謹慎だ、って。出征は名誉で、戦死も名誉で、おめでとう、って。みんなボロボロに、顔も身体も建物もくすんだ色の世界になって、人が死んで、それでも原のおばちゃんもそうだったように、戦争が終わってからさえ「お国」に不満を口にせず、それに従って生きた。
悔しくてたまらなくて泣いた。

あの学校が。あの学校が爆弾で壊された。仲良くなった友だちみんなバラバラになって。
はるも、子供は我慢してたんだね、と言った。
子供はどれだけ犠牲になったか。

「アンクル・トムの小屋」、気になった。
「でも、トムは強いんだ。どんなに差別を受けても、絶対に負けない。」

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