2020年9月19日
「告白」読み終えた。
数年前に買って、ずっと読めずにいた。このまま読めないだろうから手放そうかとさえ思った。けど先日、紙片の寺岡さんがツイッターで、「昔こればかり読んでいた。また読みたくなったから入荷した」と写真を載せられていて、それを見たらどうしてか、読まなければと思って読み始めた。
そしたらものすごい本だった。
昔、ゴミで拾って読んだ吉川英治の「太閤記」に圧倒された。
本を開くと、ワーッと合戦が行われていた。
閉じればシーンとしている。
じゃあ、わたしが2度とこれを開かなければ、信長は死なないのか…?と、
本を横目に真剣に思ったりした。
本を横目に真剣に思ったりした。
あれを思い出すような、
閉じていても耳をすますと声が聞こえてくるような本だった。
前半は、もう早く読み終えたい、何事も起きず無事で終わってくれ!いらんことすな!と、顔をそむけながら読んだ。
終わる頃にはもちろん、終わるのが悲しかった。
町田康さんの小説は、20代の頃に、
図書館にかよったりして、ありったけ読んだ。
でも読み過ぎて精神に影響を受け過ぎてしまった。
身体の中が罵詈雑言でいっぱいになってしまった。
それで、もう町田康さんの本はできるだけ読むまい、と思った。
それなのに、この本は
どうして買ったのか、忘れてしまった。
本棚にずっとあるのを見ながら、
またひどい影響を受けたらと思うと読む気持ちになれなかった。
読んでみたら、
すごい本だった。
子供の頃に思ってた、
皮膚と自分との間にあるスキマ、そこに何かがある、何かがいる、という感覚、
こんなの自分だけなんじゃないかと思い悩む
小さなこと
果てしない、頼りない心
相対的じゃない孤独
さみしさ
などが
びしびし描いてあった。
最初から、最後の最後まで。
なにより感動したのは、
それが、娯楽性、サービス精神を持って描かれている。
ひどい影響、じゃなくて、 反対に、
心はしずかになっていった気がする。
昔テレビで見た、医者に「体に異物を埋め込まれた」と思い込んで襲撃して捕まった犯人の言葉を思い出した。
テレビ局に電話をかけて、それがテレビで流れたんだったと思う、
実際に声を聞いたから、強く記憶に残っているのかもしれないけど、その人は
「おれのこと頭おかしいと思ってるんだろう。
おかしくなんかないんだよ。」
って言った。
怒りもなく、淡々とした声だったけど、
自分が言ってるようにも聞こえたし、
多くの人が言ってるようにも思える言葉
今も時々鳴る